[テルマエ・ロマエ:ヤマザキ マリ]
一言で言うと、“風呂漫画”。
なんと斬新なジャンルの漫画なんでしょうか。
主人公であるローマの建築技師 ルシウス・モデストゥスは、悩んでいました。
日々、栄えていくローマ市民は公衆浴場に何を求め、どんなことを期待しているのか・・・
古代ローマの人々は、日の出と共に活動を始め、午後の一時にはその日の仕事を終え、その後は食事をして昼寝をして過ごすか、公衆浴場で過ごすかしていたそうです。
そのため、公衆浴場は、人が集まる社交場であり、娯楽施設であったそうな。
あまりにも悩んでいるルシウスを友人マルクスは、公衆浴場へ誘うことから、物語は始まります。
公衆浴場の中でも、あれこれ風呂のことばかり気になってしまうルシウス。
つい、今入っている浴場の排水の仕組みが気になってしまい、排水口に近づいた途端、排水口に飲み込まれてしまう・・・
目を覚ますと、そこは見たことの無い公衆浴場・・・
そこでルシウスが遭遇するのは・・・
ローマには無いすばらしい浴場設備、システム。
そして平たい顔の部族(日本人)・・・
このように、ルシウスは風呂作りに悩むたびに、彼曰く“平たい顔族”の風呂世界に迷い込み、そこでの交流で新たな風呂文化を学んでいきます。
この話を読んでいて驚いたのは、意外や意外、古代ローマと日本との共通点は、風呂好きということ。
私のイメージでは、欧州圏などは、昔は、風呂はあまり入らず、香水でごまかしていたと思っていたのですが、こんなに風呂好きだった古代ローマが大好きになりました。
そんな古代ローマの時代背景とその風呂文化を漫画を通して紹介すると共に、ルシウスがタイムスリップして現代の日本風呂や日本人との未知との遭遇を面白おかしく展開する様は、読んでいていつも笑ってしまいます。
一話簡潔で読みやすく、話間に入る古代ローマについての紹介文も楽しく読めます。
大人がちょっとしたひと時にクスリと笑える、そんな素敵な本で、二巻が出て間もないですが、三巻早く出ないかなと心待ちにしてる自分がいます。